長い時間をかけて被験者のあいだで効果のあるさまざまな周波数を比較することで、体外離脱体験やそのほかの変わった意識状態を引き起こしやすい周波数の組み合わせが分かってきました。
さらにこの技術を用いると、通常は意識がなくなるか眠ってしまう被験者が、その状態を知覚し、維持できるようになったため、精神的・身体的状況の変化も、言葉で報告できるようになりました。
つまり、眠った状態を維持したまま、言葉を通して、眠っている状況を報告できたということです。これはとても重要なことでした。
なぜなら、実験で被験者たちの脳波や状態を知ることはできても、どのような体験を得ているかについては分からなかったからです。
夢を見ていることは分かっても、何の夢を見ているのかまでは分からない、何かが起きていることは分かっても、被験者が報告するまでは(起きた後に覚えていれば、の話ですが)何が起きたのかは分からなかったのです。
ですから、被験者からリアルタイムで報告を得ることは、極めて大切なことでした。
こうしてさまざまな情報が得られるようになったわけですが、被験者のなかでも特に秀でた能力を発揮した人たちを、モンローは探索チームとし、さらに研究を進めました。
探索チームの被験者同士は会うことのないようにそれぞれ別々の日に実験を行ないました。その探索メンバーにロザリンド・A・マクナイトがいました。彼女は、ROMCという隊員名で数々の情報をモンローにもたらし、後に『宇宙への体外離脱』を出版することになりました。
こうして着実に実験が進むなか、一番初めに確実に見極められるようになってきた状態のひとつが、「フォーカス10」と名づけられた状態でした。
「フォーカス」とは「焦点を合わせる」といった意味ですが、モンローたちは「意識を合わせる」状態がそれに似ているので、この言葉を用いたようです。(「F」で表記)。
「フォーカス・レベル」とは、様々な組み合わせのシグナルを用いたとき多くの人が体験する意識状態を、そのレベルごとに区分けしたものです。レベルには、番号がついています。
番号が大きくなるごとに、現実の物質世界から離れていくというニュアンスですが、付けられた数字自体には特に意味はなく、モンローでさえ、それがどうして出てきたのか分からないと『魂の体外旅行』のなかで言っています。
しかし意識レベルについての情報は、「ミラノン」という非物質の存在から伝えられました。
そのときの記録は、「魂の体外旅行」の80~84ページに書かれています。要約すると以下のようになります。
「意識段階は、例えば7つリング(環体)がひとまとめとなり、そのリングひとつひとつは7段階に分けられていると考えればよい。
第1リング【1~7段階】は植物、第2リング【8~14段階】は動物、第3リング【15~21段階】は人間の生命(意識)が該当する。
第4リング【22~28(27?)段階】は橋渡しの段階であり、人間が死に踏み込む段階である。しかしこの領域に入るには、肉体という形を捨てないと入れない。
この段階で、低いレベルへ戻るか、高いレベルへ移行するか選択することができる。そして第5リング【28~35段階】以降は、人間として生まれ変わることはない。
第6リング【36~42段階】、第7リング【43~49段階】という段階を経て、49に達すると、7つのリングでひとまとめとするこの存在領域から離れることになる。
そして、さらにその上の7つのリング、そのまた上のリングの領域へと発展を遂げていくのである。」
現在F49及びそれ以上の領域についての探索が行なわれています。主に1、3、10、12、15、21、23、24~26、27、34/35、42、49の各フォーカス・レベルが中心となり、探索が行なわれています。
それぞれのフォーカス・レベルにはその世界を一言で表すとこのような感じという定義が付けられています。